整備計画について交通安全対策の方針さまざまな取り組み
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交通安全対策の方針

事故類型別の交通事故対策

《対策工法の標準化》

対策箇所の選定は、死傷事故率※や死傷事故件数などの統計指標から事故集中箇所を絞り込んでいくことができます。しかし、立案段階で対策箇所に着目すると、道路や交差点の形状、交通事故の発生状況、交通量や交通の流れなどが異なるため、実施機関がそれぞれ独自に工法検討を進めなければならず、対策にばらつきが生じていました。

この問題を解消し、より迅速に対策を進めるため、対策工法の標準化を図ることとしました。

対策立案のはじめの段階で、交差点や単路で生じる主要な事故類型を整理し、その原因となる危険な交通挙動を考察します。過去に実施した工法別の事故削減効果を勘案しながら、各事故類型と原因となる挙動に対し最も効果的な抑止工法を設定します。


※「死傷事故率」とは、1万台の車が1万㎞走行した場合に起こる死傷事故件数を表します。死傷事故率の減少は、道路を走行する際に事故に遭う確立が減少し、安全性が向上することを意味します。

交差点事故の標準工法
事故類型 区分視点 工種 対策の狙い・効果
共通対策 警戒

減速

整流
「事故注意」路面表示 流入区間起点部で「事故注意」を路面標示
事故集中区間への進入を知らせる
ドットマーク 進入区間全区域にドットマークを敷設
車線を狭く見せ減速と整流を促す
カラーゼブラ 交差点一体区間とみなすカラー舗装区間の直前で、視覚的な段差と震動により、再度、注意喚起
カラー舗装 交差点区間に進入したことを知らせ細心の注意を求める(直進=赤色・右折=青色)
右折事故 右折車線整備 右折車線・右折ポケット設置 道路の幅員構成を再配分し、右折車線又は右折ポケットを新設
右折車を後続の直進車から分離し、
⇒右折ギャップの短い危険な右折を防止
⇒直進車を含めた進入車両の走行を円滑化
右折ポケット(1.5車右折帯)
右折車線改良 右折車線を正対位置に移設 上下線が幅の広い中央分離帯で区分されたセパレート区間等で、右折車線を直進車線から分岐して対向車線に正対する位置に移設。分岐部手前から右折車線の分岐を標示し、右折車を導流
⇒交差点内で対向車に正対させ直進車の視認性を確保
⇒右折走行距離を短縮し右折速度を抑制
右折車線の分岐予告
交差点内での導流 カラー舗装による右折導流帯 交差点内で右折導流帯又は右折指導線により走行位置を明示し右折車を導流停止位置を明示し、確実な右折待機を促し、対向直進車との事故を防止
右折車線を確保した場合=赤色カラー舗装で導流帯を標示
右折ポケットの確保にとどまる場合=右折指導線で経路を標示
右折指導線
右折停止線
左折事故 コンパクト化 横断歩道の前出等による交差点のコンパクト化 横断歩道の前出し等により交差点の規模をコンパクト化
⇒左折距離を縮小し左折速度を抑制⇒横断者の視認性を向上
左折レーン 左折レーンの設置 ゼブラにより直進車線から分離した左折レーンを設け、赤色カラーゼブラを設置
⇒左折速度を抑制⇒横断者に注意喚起⇒後継車の回り込み左折を防止
左折ゾーンのカラーゼブラ 直進車線と隅切部の間に可能な範囲で左折レーン同様のカラーゼブラを設置
⇒左折速度を抑制⇒横断者に注意喚起
出会い頭事故 視認性確保 停止線の幅広化 停止線を幅広化し、停止位置の視認性を向上
信号灯器のLED化 信号灯器の視認性を向上させ、交差点の存在を認識、信号を遵守させる
横断者 注意喚起 歩行者注意看板 右折車に対しては中央分離帯、左折車には歩道内に歩行者注意看板を設置
⇒右折時又は左折時に横断者への注意を促す
夜間事故 視認性確保 道路照明 道路照明灯を設置し、交差点の道路構造・横断者の視認性を向上させる
高輝度路面表示 高輝度の区画線や路面標示により、夜間の視認性を確保する
発光式交差点中心錨 交差点中心を明示、交差点の存在を知らせ、右折車を誘導